
※画像出典:新・国民民主党
玉木雄一郎氏の勝利で終った国民民主党の代表選挙。これを受けて「自公国連立政権」の噂まで出始めています。連合はこれに否定的。玉木雄一郎氏は慎重な姿勢を崩していません。一方で、岸田文雄首相は国民民主党で副代表を務めた矢田稚子氏を総理大臣補佐官に起用するなど実現に向けて「布石」を打っています。
■自公過半数割れが「一つの前提」政権入り巡り―国民・玉木代表インタビュー
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023091600326&g=pol
時事ドットコム 2023年09月17日07時07分
国民民主党の玉木雄一郎代表は16日までに、時事通信のインタビューに応じた。同党の連立政権入りが取り沙汰されていることについて、「自公政権が過半数を割ることが一つの前提だ」との考えを示した。主なやりとりは以下の通り。
■国民民主党代表選、玉木雄一郎氏が3選 与党との連携路線継続へ
https://mainichi.jp/articles/20230902/k00/00m/010/123000c
毎日新聞 2023/9/2 14:57(最終更新 9/2 19:12)
任期満了に伴う国民民主党代表選は2日、東京都内で開いた臨時党大会で投開票され、玉木雄一郎代表(54)が前原誠司代表代行(61)との一騎打ちを制し3選を果たした。任期は2026年9月末まで。玉木氏の勝利で、政府・与党との連携路線は当面継続される見通しになった。
代表選は、党所属国会・地方議員や党員・サポーターらに割り振られた計111ポイントで争われ、玉木氏は80ポイントを獲得。前原氏は31ポイントだった。
このニュースについて!
2023年09月02日(土)。国民民主党は東京都内で臨時党大会を開催。代表選挙の結果、前原誠司代表代行を破って玉木雄一郎代表は再選を果たしました。政府・与党との連携に関しては「政策実現のために、与野党を超えて協議、連携していく」と強調しました。自公両党と協調をアピールする玉木雄一郎氏を信任した形です。
これを受けて、自民党は国民民主党を参加させた新たな連立政権を打診する方向で検討に入りました。これに対して、玉木雄一郎氏は「他党の検討状況についてコメントする立場ではない」と述べた上で、政策面での一致や選挙区調整など一定の条件を挙げています。
あくまで「政策本位」で進めることを前提に慎重な姿勢を強調したものの「連立政権」については否定していません。玉虫色な回答です。
2023年09月08日(金)。岸田政権は内閣改造を前に「自公両党の枠組みに国民民主党を加える『自公国連立案』を見送る方針」を決めました。国民民主党の内部や支援組織「連合」で支持を支持を得られず見送りになったようです。
2023年09月15日(金)。 時事通信のインタビューによれば、玉木雄一郎氏は将来的な連立入りの可能性について党内で議論を深める方針です。一方で、連立を組む条件として「自公両党の過半数割れ」を前提に「安全保障」「エネルギー政策」「憲法」など基本政策の一致と選挙区調整などの条件を提示しました。現時点でこれを満たす政党は「ない」と述べました。
一方で、玉木雄一郎氏は自身のX(旧Twitter)で「そんな発言はしてません。」と反論、情報は錯綜しています。
Twitterの反応!
自公過半数割れが「一つの前提」 政権入り巡り―国民・玉木代表インタビュー https://t.co/ZXo7nUrOuR @jijicomより
— 橋下徹 (@hashimoto_lo) September 17, 2023
➡ 自公過半数割れが新しい政治を作る。そのためには野党間予備選で野党候補者を一本化する必要がある。野党第一党を目指すのは自党の党勢拡大と政党交付金を増額するだけの効果。
首相、国民民主の矢田前参院議員を首相補佐官に起用へ:▼記者コメントも違います。国民民主の某幹部入閣を自民党、公明党の猛反対で実現できなかったので次善の策。実現ならもはや与党です。https://t.co/kvvLfc09Qo #国民 #岸田政権
— 有田芳生 (@aritayoshifu) September 14, 2023
自民党が国民民主党に連立協議の打診を検討している。ここで見落としてはならないのが、国民民主党支持母体が「連合」と言うこと。これが実現すると政府与党に「労働組合と経済界に創価学会」が入り乱れる事になる。“自民党カルト連合 vs 立憲共産党” … 国民不在の悪夢だ。https://t.co/ht7ZkNrhbq
— 松丸まこと 元足立区議会議員 (@seiryukai) September 3, 2023
西武そごうストの時に出てこいよ。終わってから出てきてどうするんだよ。日本最大の労組として、連帯を掲げ、戦う姿勢を皆に示す千載一遇のチャンス逃して、何をやってんだよ。/国民民主党の連立政権参加、連合会長「聞いていない」 - 日本経済新聞 https://t.co/zYLlNCXlNJ
— ガイチ (@gaitifuji) September 3, 2023
国民民主党としては、連立組むのもありっちゃありなんだけど、少数政党が連立政権に参加して成功した試しがほとんどない。尽く勢力縮小か他党への合流という流れになってる。
— ウハ@ゆっくり政治チャンネル (@yukkuriseijich) September 3, 2023
タマキンもそんなことわかってるだろうし、代表選で散々組める政党はないって言ってたわけで。連立入りの可能性は低い。
管理人後記!
連合の芳野友子会長は代表選挙に勝利した玉木雄一郎代表と会談、自公国の連立論に関して「連合が割れることはあってはならずあり得ない」と伝えました。国民民主党は連合傘下の「民間産業別労働組合」の支援を受けています。
また、芳野友子会長は立憲民主党と国民民主党の連携を強く求めていることで知られています。ここでネックになっているのは日本共産党の存在です。
岸田文雄首相は改造内閣の発足に伴って、国民民主党で副代表を務めた矢田稚子元参議院議員を賃金・雇用担当で総理大臣補佐官に起用しました。矢田稚子氏はパナソニック出身で連合傘下の民間産業別労働組合「電機連合」の組織内候補で2016年に初当選、2022年の参院選で落選して国民民主党の顧問を退任しました。
自公国連立政権の実現に向けた「布石」であることは想像に難しくありません。こうした人事は極めて異例で、岸田文雄首相は事前に公明党にお伺いを立てるなど慎重に進めたようです。
玉木雄一郎氏は日本維新の会について「外交・安全保障政策などは非常に近い」と述べました。しかし「国内政策では維新は新自由主義的なところがある」と批判しました。個人的にこの部分は高く評価しています。
しかし、国民民主党はポジション的に「日本維新の会」の劣化版です。非自民・非共産の枠組みで共闘強化を訴えた前原誠司氏の敗北で、党勢拡大のチャンスを逃してしまったように思います。




