
※画像出典:時事ドットコム
同性同士の結婚を認めないのは憲法違反だとして福岡県・熊本県に住む3組の同性カップルは国を相手に損害賠償を求めた裁判、福岡地方裁判所は「憲法に違反する状態だ」と判断を示しました。国に損害賠償を求める訴えは棄却されたものの「同性結婚」そのものは「合憲」と判断されました。この意味は大きいです。
■同性婚不受理は「違憲状態」福岡地裁判決 賠償請求は棄却
https://mainichi.jp/articles/20230607/k00/00m/040/357000c
毎日新聞 2023/6/8 11:21(最終更新 6/8 14:40)
同性同士の結婚を認めていない現行制度は憲法に反するとして、同性カップル3組6人が国に1人当たり100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、福岡地裁(上田洋幸裁判長)は8日、個人の尊厳に立脚した家族法の制定を求めた憲法24条2項に違反する状態と判断した。全国5地裁で起こされた同種訴訟で「違憲状態」の判断は2例目。同性婚の法整備を巡る議論に影響を与える可能性がある。賠償請求は棄却した。
同性結婚は「合憲」の画期的な判決!
2023年06月08日(木)。福岡県と熊本県に住む3組の同性のカップルは、同性同士の結婚を認めていない民法などの規定に関して「婚姻の自由や法の下の平等を定めた憲法に違反する」と主張、国を相手に損害賠償を求める訴えを起こしていました。これに対して、国側は裁判で「同性同士の結婚は憲法で想定されていない」と主張しています。
福岡地方裁判所の上田洋幸裁判長は「同性カップルに婚姻制度の利用によって得られる利益を一切認めず、自らの選んだ相手と法的に家族になる手段を与えていないことは『憲法に違反する状態』にあると言わざるをえない」と述べました。
個人の尊厳に基いて配偶者の選択などに関する法律を制定するように定めた「憲法24条2項」に違反する「違憲状態」と判断を下しました。一方で、国に対して損害賠償を求める訴えは棄却されています。
弁護団の共同代表の森あい氏は「判決の全文をまだ見ていないので、要旨だけの判断ですが、見るかぎりは違憲状態なので、弁護団としてももっと踏み込んだ判決を言って欲しかったです」とコメントしました。今後、原告側は政府の反応や方針を見極めた上で「控訴」について協議します。
管理人後記!
国に損害賠償を求める訴えは退けられたものの「同性結婚」そのものは合憲と判断された意味は大きいです。政府・与党は同性結婚に慎重です。しかし、こうした判決を積み重ねれば将来的に国は認める方向で動くことになりそうです。
同性婚について世論の反応は賛否両論です。当然、反対の声は根強くあります。只、ここ数年の傾向は過半数は「賛成」です。
政争の具にされている感は否定できないものの今回の判決は高評価です。個人的には今回の判決を以ってロビイングに徹して現行の婚姻制度と別枠で「新たな法律」を制定することこそ同性結婚実現の近道と考えます。
一方で「マジョリティ」に対してある種の「押し付け」になりかねない点は危惧しています。近年、左派を中心にマイノリティであることを理由にマジョリティに価値観を押し付けるケースは多いです。フェミニズムやポリティカル・コレクトネスに基く「キャンセル・カルチャー」はこの典型です。




