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【資料】児童ポルノ事件の「被害者」が増加する理由とは? その1

児ポ法改悪に反対するための資料集

橘秀徳 オフィシャルブログ
児童ポルノ法ワーキングチーム会議報告

http://ameblo.jp/tachibana-hidenori/entry-10944438107.html

警察庁より報告
被害児童数は平成14年60人、平成22年614人。
より深刻な問題なのは、被害児童の低年齢化である。
平成21年小学生以下62人(15.3%)、22年126人(20.5%)。


毎年「被害児童が過去最多」と報道される児童ポルノ事件。橘秀徳議員のブログを見ると民主党もこの辺りの事情は把握していない様ですが・・・。奥村弁護士がブログで以下のように解説しています。必読です。

奥村徹弁護士の見解
■[児童ポルノ・児童買春][性犯罪]児童ポルノ過去最悪=被害者倍増、男児も-上半期まとめ・警察庁
http://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20100805#1280977919


撮影が伴う176条後段とか177条後段の事件に、製造罪をくっつけたような事件が多いですね。

適用可能な罰条をフルに使うということで、それはそれで構いませんが、罪数処理に困ります。

『http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100805-00000030-jij-soci
被害児童の内訳は、中学生が最多で126人(42.7%)。次いで高校生95人(32.2%)で、小学生以下も63人(21.4%)いた。男児が被害者となるケースも全体の1割を超え、増加傾向にあるという。

ネットを利用した事件は329件(69.6%増)で、全体の54.9%。このうちファイル共有ソフトを使い、不特定多数などを相手に違法画像のやりとりをしていたのは62件で、18.8%を占めた。』

それなら強要して撮影・送信させるのも強制わいせつ罪+製造罪でいいような気がします。

『http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100805-00000534-san-soci
一方、警察庁がまとめた上半期の少年非行等の概要によると、児童ポルノ事件の送致件数は599件で前年同期比63.2%増、被害児童数は295人で同99.3%増といずれも過去最多になった。被害児童のうち未就学・小学生が152%増の63人と増加が目立っているという。』

例えば脱がせて撮影する強制わいせつ罪後段の事例は、従来

『平成22年8月5日午後3時ころ,大阪市北区マンション側階段付近において,A(当時6歳)に対し,同児が13歳未満であることを知りながら,同女に対し、そのズボンと下着を脱がせて下半身を裸にして、これを携帯電話機付属のカメラで撮影し、もって13歳未満の女子に対し,わいせつな行為をした』

として176条後段の罪のみで処理されていましたが、
警察庁からハッパがかかり、生活安全課と刑事課が連絡取って、児童ポルノ罪も立てることになって、


『平成22年8月5日午後3時ころ,大阪市北区マンション側階段付近において,A(当時6歳)に対し,同児が13歳未満であることを知りながら,同女に対し、そのズボンと下着を脱がせて下半身を裸にして、同女の陰部を露出させる姿態をとらせ、これを携帯電話機付属のカメラで撮影し、もって13歳未満の女子に対し,わいせつな行為をするとともに、衣服を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するものを視覚により認識することができる方法により電磁的記録に係る記録媒体に描写した児童ポルノを製造した』

という観念的競合の訴因で起訴されることになった。処断刑期は同じ。

もともと強制わいせつ罪となっていた事件に児童ポルノ罪をくっつけたので、児童ポルノの検挙件数が増えます。未就学・小学生の被害児童数は増えますが、強制わいせつ罪のそれと重複しています。

だから、新たに発生したというより、事件を掘り起こしたという感じです。


「まさに児童ポルノが性的虐待である事例」ということを示しているのですが、それは従前から強制わいせつ罪で処罰されてきた行為で、それなりに検挙されて処罰されていました。


児童ポルノ事件「被害者増加」の理由は警察庁が発破を掛けた事によって「元々あった犯罪に児ポ法違反をくっ付ける様になったから」だそうです。摘発が増える後とにこれまでの警察の怠慢と現行法で十分だという事実が露呈していく様です。

因みに、奥村弁護士が例では「強制猥褻」ですが、一口に「児童ポルノ禁止法違反」と言っても他に様々なケースが考えられます。例えば「児童虐待」「強姦」「援助交際(買春)」「自画取りによる製造罪」など多種多様です。

特に「援助交際(買春)」「被害者増加」の要因のひとつと言っていいかもしれません。同法では「自分の意思」「売った側」も「未成年」という理由で「被害者」としてカウントされているようです。


JAPONIUM
「児童ポルノ:被害者1696人特定できず」←ハア?
http://robotboy.japonium.com/article/98954909.html


http://mainichi.jp/select/jiken/news/20080602k0000m040116000c.html

『児童ポルノ:被害者1696人特定できず 07年検挙事件

全国の警察が07年に検挙した児童ポルノ事件で、被害者が判明せず医師が身体的特徴を鑑定して児童(18歳未満)と判断したケースが143件、延べ1696人に上ることが、毎日新聞の調べで分かった。本人を特定できない画像がインターネットの普及で大量に出回っているためで、鑑定でも児童と判断できなかった例も多い。ネット社会で児童ポルノのはんらんに歯止めが掛けられない実態が明らかになった。

現行法は18歳未満の子供を写した性的画像の販売や公然陳列などを禁止している。警察庁によると、07年検挙の児童ポルノ事件は567件、被害児童は延べ304人だった。

だが被害児童数は、本人を特定できたケースだけで、画像鑑定で児童と認定された人数は集計されていない。鑑定により児童と認定し立件した事例について、毎日新聞が各警察本部に調査したところ、23都道府県で143件、被害児童数は延べ1696人に上った。

大阪府警は07年4月、出会い系サイトで知り合った女児に性的な写真を撮らせて携帯メールで送らせた男を逮捕した。通信履歴が消えていたため被害児童を特定できず、画像から13~15歳と判断した。岡山県警は同2月、ネットオークションで買った画像を再びオークションに出品していた男を逮捕した。鑑定により被害児童12人を11歳未満と認定した。

一方、少なくとも警視庁と神奈川、岩手県警で、児童ポルノとみられる画像を認知したが鑑定でも18歳未満と判断できず、立件を見送った例があった。

警察庁の福田正信・少年保護対策室長は「特定できない被害児童が多いことは、製造された児童ポルノが繰り返し複製されて大量に出回っていることを表す。年齢の鑑定すら不可能な画像も多く、実際の被害児童はさらに多いはず」と話す。

現行の児童買春・児童ポルノ禁止法では販売や提供を目的とした所持は違法だが、自分で見るためだけの「単純所持」は禁止されておらず、拡散の温床との指摘がある。【曽田拓、磯崎由美】

毎日新聞 2008年6月2日 2時30分』

~中略~

話を児童ポルノに戻すが、此のくだりで

『警察庁の福田正信・少年保護対策室長は「特定できない被害児童が多いことは、製造された児童ポルノが繰り返し複製されて大量に出回っていることを表す。年齢の鑑定すら不可能な画像も多く、実際の被害児童はさらに多いはず」と話す。』

と、自分が何れだけ危険な発言をしているか自覚が無いという恐ろしさ、其れは最早児童ポルノではない。
年齢を推定して調査に乗り出す迄は理解出来るが、結局の所、国籍、名前、年齢と、性別以外の法的根拠、根幹、カギを成すあらゆる要素が確認出来ず、個人の特定が不能であるにも関わらず、其れを児童ポルノであると、被害者が居ると断定して更なる法規制を押し進めようとしている。


否、此れを国家権力の暴走と呼ばずして何と呼ぶ。
しかも公権力の監視を自称するマスコミが其のプロパガンダに勤める始末。
此れは新手の人権擁護法案である。

しかも18歳未満を児童ポルノと自分等で勝手に法定義して於きながら、16-17歳を避けて画像判定をする自己矛盾。
抑も合法AVで女優希望者が後を絶たないのは「人間は成長して顔も変わるし、メイクもするし、カメラで写りも変わるし、バレっこ無い!」と高を括ってるからだ。


別の仕事で有名になった場合にバレるケースは実際にあるが、極めて希な話、年間に数千数万タイトルと出ているのだから。
其れと同じ事が、彼等公権力の言う児童ポルノでも起きている。無論自ら股を開いて映ってる。
ホント「被害者とは何か」というのを考えさせられる。

クローズアップ現代の時にも話したが、創価学会はプライバシーや被害者の保護を掲げているが、番組に出て来た被害者は上の様なケースと全く違っていて言わば本当の被害者、そして加害者も特定されておりあえて打てる策を講じず法整備のダシにされる始末。其の行く先に「被害者の全く居ない公権力の暴走」が待っているという、結局被害者は法を作る為の単なる口実、道具に過ぎない。

~中略~

18歳未満を児童なんて言ってる国はアメリカと日本位である。
他の国は16歳未満が普通で子供から大人になる余白をちゃんと設けてある。
日本も10年前迄はそうだった、其れを奴等が・・・
つまり国際的に見ればアメリカの擁護者として利用されているわけだ。
ホントこんな事、国が個人に向けて首を突っ込み指図するべき事ではない、此処は共産主義国家中国なのかと。
こんな子供を過保護で幼稚化させる一方で、今度は18歳からいきなり
選挙権を与えろと言ってるのだから無茶苦茶にも程がある。


クローズアップ現代「氾濫(はんらん)する児童ポルノ 規制をどうする」
http://robotboy.japonium.com/article/97479391.html


被写体が「18歳未満」「特定できない」のに「被害者」にされています。
さらに警察は「本人を特定できない画像」まで「児童ポルノ」として摘発しているとの事です。
特に「個人法益保護法」なのに「本人の特定」を必要としないという点は矛盾してます。

また日本特有と言っても良い「定義の曖昧さ」も無視できません。
以前から問題視されてますが「3号ポルノ」「見る側の主観に左右される」ほど曖昧です。

元々児ポ法は「月日が経てば経つほど児童ポルノ認定されたものが増える」という特徴があります。
しかも「年月の経過」「被写体の生死」に関係なく「児童ポルノ認定」が解除されることはありません。

そんな法律ですから「取締りを強化」すれば「毎年過去最高」になるのも当たり前という訳です。
要するに「児童ポルノ被害に遭う子どもが増えた」というのは「事実とは言えない」という事です。

念のために言っておきますが、単純に「数が少なければ良い」という問題でもないです。
ただ、規制派が「被害者増加」を理由に法改正を主張しているので反論のために記事にしたまでです。

重要なのは「個人法益保護法」というコンセプトを変えさせない事です。
そのためには何をもって「児童ポルノ事件の被害者」とするのかを明確にすべきです。


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コメント
  • No title
    2011/07/12 09:15
    >「自分の意思」で「売った側」も「被害者」としてカウントされているようですね。
    勝手に被害者と決め付けるなんて、犬畜生に劣るせこい手口だ。
    >しかも「年月の経過」や「被写体の生死」に関係なく「児童ポルノ認定」が解除されることはありません。
    死しても年月が流れてもなおレッテルを貼り続けるなんて(特に冤罪を着せられた人)、これはある種のいじめだ。
    >「日本の漫画やアニメの絵は幼く見える。ポルノとして描くな!」
    そのコメントのひとつには
    >規制推進派は本当、息をするように嘘をつきますね。下種にも程がある。
    東京都青少年健全育成条例改正問題のまとめサイト には
    >「ECPAT/ストップ子ども買春の会」「ポルノ・買春問題研究会」の関係者が嘘で嘘を塗り固めようとして大自爆。
    幼く見えるって、規制派はどんだけ漫画に偏見を持ってるのか。
    「ゴルゴ13」など劇画系やシブ系の漫画まで幼いと言いそうだ。
    とんだ狼少年ならぬ狼男(女)だ。
    できれば過去に一度「児童ポルノ認定」されたものを検討し直して子どもが見ても大丈夫だったら、解除してほしいとWTに頼みたい。
  • 2011/07/12 13:16
    このままでは僕のアイデンティティーが否定されかねません。(身長が180cmの人間が言うと説得力がありませんけども)
    現に、声優業界でも大亀あすかさんとか見た目が子どもな人が増えてますが、あれも児童ポルノと見なされてしまうんですよね・・・
    今後どうなってしまうのかな?
  • 青少年条例の淫行も
    2011/07/12 16:21
    強制わいせつの他に、
    > 「児童虐待」「強姦」「援助交際(買春)」「自画取りによる製造罪」など多種多様です。
    あと、青少年条例の淫行も。
    児ポ法成立前後で被害者数のこんなデータがあります。
    http://www.npa.go.jp/safetylife/syonen/hodouhogo_gaiyou_H20.pdf と hodouhogo_gaiyou_H21.pdf
        淫行 児ポ 計
    H11 3132 --- 3132
    H12 1694  963 2657
    H13 1453 1389 2842
    H14 1434 1690 3124
    H11(1999)の児ポ法成立の翌年から、青少年保護育成条例の淫らな性行為等の事件の被害者数が、一気に半減して、その後はずっと横這いになってます。
  • No title
    2011/07/12 17:50
    今日のWTについて
    ttp://twitter.com/#!/MIYAZAKI_Takesh/status/90678221737168896
    @MIYAZAKI_Takesh 宮崎タケシ
    本日の民主党某WTは(1)自公の都合で今こんな法案を考えること自体おかしい!
    (2)とはいえ自公が更に酷い法律を作る恐れがあるから主導権のあるうちに作ってしまおう
    (3)子供と女性の人権を守るため迅速徹底推進!──の3つの意見が交錯。
    (2)が優勢。(1)か(2)か悩むところ
    考え方は分るが、なんか違うんだよな・・・
    本当にどんな案が出来るか心配になってきた。
    頼むから変なものを入れないでくれよ・・・
  • No title
    2011/07/12 17:53
    連投失礼。
    都条例も動きがあります。
    SekiguchiTaichi 関口太一
    noshin1985がリツイート
    今日は青少年健全育成審議会に出席。改正条例が施行され、いよいよ来月の審議会から、新基準に該当する書籍が審議対象になる可能性があります。その場合、各委員の審議前における事前閲読を可能とすることなどが新たに決定。審議会の在り方はこれからも議論が続けられます。
    これは、どういうこと?
  • No title
    2011/07/12 19:18
    Y.Y.さん
    >今日は青少年健全育成審議会に出席。改正条例が施行され、いよいよ来月の審議会から、新基準に該当する書籍が審議対象になる可能性があります。その場合、各委員の審議前における事前閲読を可能とすることなどが新たに決定。審議会の在り方はこれからも議論が続けられます。
    >これは、どういうこと?
    不気味だ、五輪都知事似のたらこキューピーの群れと五輪都知事似のリラックマよりも怖く感じる。
    悪い方向に行かなければ良いが不安だ。
  • No title
    2011/07/12 19:32
    >じょもさん
    一応、悪い方へ向かっているわけではないですが・・・
    @ASUKAKIRYU
    スミス @SekiguchiTaichi 審議側がマンガなんか片っ端から発禁してしまえというような思考の人だらけにも見えなくはないんですけどその辺りはどうなんですかね?
    @SekiguchiTaichi
    関口太一 メンバーにはそういう意識はないと思います。また、審議会で意見を述べることの出来る専門委員を、出版業界側から出してもらうことなども、審議会で議論しています。都議会が付けた付帯決議の趣旨をしっかり踏まえた審議会となるよう、メンバーも事務方も常に意識しています。
    @ASUKAKIRYU
    スミス @SekiguchiTaichi 出版側の意見を一切聞かずに強引に推し進めた経緯や都知事の言動があれですからねえ・・・審議会は頑張ってくれるのでしょうけど規制の担当が治安対策本部というのが曲者ですね
    治安対策本部がどのような行動に出るか注意が必要?
  • No title
    2011/07/12 19:42
    治安対策本部か・・・
    櫻井と倉田は生理的に嫌いだ。
    利権臭さが漂ってくる。
    にやけた五輪都知事似のたらこキューピーの群れと五輪都知事似のリラックマより不愉快だ
  • 2011/07/12 20:47
    >(3)子供と女性の人権を守るため迅速徹底推進!
     …これ、ゴミ山一派か?
  • 2011/07/12 22:25
    立憲主義とジャーナリズムより
    児童ポルノ規制を巡る問題1
    http://blog.livedoor.jp/tamuraseminar/archives/66439740.html
    児童ポルノ規制を巡る問題2
    http://blog.livedoor.jp/tamuraseminar/archives/66439768.html
    引用開始①
    最近、児童ポルノに関連する制度改定議論が活発に行われている。総務省、警察庁が指導し、民間団体が行う児童ポルノサイトへの「ブロッキング」や、東京都が議会に提出した「東京都青少年健全育成条例改正案」、さらに、与野党の児童ポルノ規制法改正案など、民間企業をも巻き込み、大きな時代のムーブメントとなっている。
    児童とは、児童福祉法で定められた18才未満の者を指し、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律 (以下、児童ポルノ禁止法)では「衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの」などが児童ポルノとされる。
    児童ポルノ規制は96年、「児童の商業的性的搾取に反対する世界会議」(ストックホルム会議)において、国際社会から日本の児童への性的搾取規制の空白を非難されたことに始まる。会議の影響を受け、96年以降、児童ポルノ禁止法が制定され、04年には提供行為が処罰対象となり、日本における児童ポルノ規制は進んだ。しかし、児童ポルノ規制に対する議論は冷めず、今年に入ってからは先に挙げた議論が活発に行われるようになった。
     児童ポルノ規制はいずれも、規制賛成派によれば、実際に被害にあった児童の権利保護を目的としている。賛成派の「日本ユニセフ」は「児童ポルノの被害は近年ますます悪化している」と主張し、さらなる規制強化求めている。しかし、社民党の保坂展人氏など、一部の議員や識者は、特に単純所持禁止規定を盛り込んだ自民党の児童ポルノ禁止法改正案、ウェブサイトの「ブロッキング」など児童ポルノに関わる規制が、個人の行動を制限し、憲法で保障された「表現の自由」(21条1項)や「検閲」の禁止、「通信の秘密」(21条2項)といった権利を侵害する可能性があると指摘する。
    さらに、東京都の「東京都青少年健全育成条例改正案」は、他の規制とは異なり、被害児童が存在しない架空のキャラクター規制のため、その目的があいまいで、公権力による恣意的な運用が懸念される。
    規制強化を求める賛成派の主張と問題点
    なぜ規制がもとめられるのか?
     
     財団法人(只の営利団体)日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャンは09年6月26日の衆議院法務委員会で、「日本は児童ポルノのナンバーワンの加害国であり、タイやカンボジア、フィリピンなどでは日本人による被害児童が多く存在する」、「児童ポルノ禁止法が制定され、コンビニから児童ポルノが消えたが、サイバースペースでは児童ポルノが氾濫し、近年さらに悪化している」、「G8で単純所持が禁止されていないのは日本とロシアだけ、国連などの関係者から日本の法制度が遅れていると指摘される」などと発言。日本の児童ポルノ規制の不徹底を主張した。さらに、「表現の自由」を行使する側にある産経新聞社は、26日の法務委員会の翌日、「根絶へ所持規制は不可欠」の見出しで社説を掲載した。その中で、「児童ポルノ犯罪の拡大には目を覆いたくなる。最近では2歳長女のわいせつな写真を撮影した母親らが逮捕される信じがたい事件も起きている」と現状を指摘した上で、「海外ではポルノ撮影を目的とした児童誘拐まで起きている。知らぬ間に画像が流れた子供たちの精神的被害も深刻だ」、「子供たちを卑劣な犯罪から守る。そのための法規制強化であることを忘れないでほしい」と児童の権利保護のため単純所持禁止を含む法改正の必要性を説いた。規制強化賛成派の意見は、「現状の児童の被害は悲惨でその権利を保護するためには規制強化が必要」と一致している。アグネス・チャンが法務委員会で読み上げた、全国暴力被害者相互支援グループ「野の花」の意見書でも、匿名の被害者から投稿された被害者の悲惨な過去と現状が紹介されており被害の重大性が訴えられている。
    確かに、日本に児童ポルノ被害者は少なからず存在し、その権利保護は急務である。しかし、児童ポルノに関する規制強化は、様々な問題を生み、そのすべてが憲法に規定された権利を侵害する危険性があり、ひいては民主政治の根幹をゆるがしかねない問題をはらんでいる。
    「ブロッキング」とその問題点
    「ブロッキング」、「検閲」にあたる可能性も
    「ブロッキング」とは、民間団体であるIPS(インターネット接続業者)が警察庁と連携し、児童ポルノと思われる画像や映像が掲載されたウェブサイトにユーザーがアクセスできないよう、強制遮断することをいう。
     一度、画像や映像が出回ると簡単にコピーできてしまうため、回収が困難になるネットの世界。これまで、ネット上に児童ポルノと思われる画像や映像が掲載された場合、警察庁と連携した財団法人「インターネット協会」が運営する「インターネット・ホットラインセンター」が削除要請を行ってきた。センター長の国分明男氏は6月14日の毎日新聞ウェブ版で「被害者児童の心理的負担は相当なもの。ブロッキングは有効な対策の一つだ」と削除要請にとどまらない規制強化を訴えた。しかし浮上するのは、今後行われる「ブロッキング」が、憲法が禁止する「検閲」にあたる可能性だ。憲法は公権力の制限を目的とし機能しているため、総務省をはじめとする関係省庁でつくるワーキンググループは、民間団体であるIPSによる「ブロッキング」を前提とし、公権力の関与という問題を解決したとした。しかし、「ブロッキング」の導入は、警察庁の強い意向が反映されているとされ、通信事業者に圧力がかかる可能性は否定できない。また、強制遮断の対象となる、18歳未満と判断される画像や映像が掲載されたウェブサイトを指定したリストを作成する「インターネット協会」は、年間1億5千万円の委託費を警察庁から受けており、リストの作成自体に公権力が介入する危険性は否定できない。サイトの内容を警察庁が判断し、リスト作成に影響を与えた場合、「検閲」にあたる可能性が極めて高い。
    日本国憲法は21条2項で「検閲は、これをしてはならない」公権力による「検閲」を禁止している。そのためか、総務省は6月1日の政務三役会議で「民間の自主性のなかでブロッキングが行われることが重要」と慎重な姿勢を見せる。
    公権力による「検閲」の可能性が「ブロッキング」における最大の憲法上の問題であり、6月18日の毎日新聞ウェブ版によると、通信事業者らでつくる「安心ネットづくり促進協議会」の児童ポルノ対策作業部会は、「検閲的な機能のあるブロッキングには『官民一体』ということでも認められてはいけない」とし、完全なる公権力の排除が必要だとした。
    憲法における「通信の秘密」の侵害かは微妙
     「ブロッキング」が「通信の秘密」の侵害になるという指摘に対して総務省は、「民間のIPSであっても(ブロッキングは)通信の秘密を形式的には侵害することになる」という認識を示し、原口一博総務大臣は4月16日、閣議後の記者会見で、児童ポルノの「ブロッキング」は「通信の秘密」を侵害する旨の発言をした。
    しかし、完全に民間団体が行う「ブロッキング」は、公権力を制限するという性質上、憲法における「通信の秘密」の侵害にはならない。憲法学説では、「通信の秘密」は私人間に直接適用されるという主張も有力だが、そうした考え方はかえって公権力の介入の糸口を与えるだけだとの批判もある。また、公権力が関与した場合でも、何をもって「通信の秘密」を侵害するかは、依然としてあいまいな定義に委ねるため、憲法における「通信の秘密」の侵害といえるか微妙だ。メールの内容をチェックするならば明確な侵害となるが、「ブロッキング」はその性質から、通信内容そのものの閲覧とは異なり、具体的内容の把握をするわけではないからだ。
    しかし、民間団体による「ブロッキング」は、電気事業通信法4条一項「電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない」など法律上の規定に違反する可能性がある。民間団体による「ブロッキング」が法律に違反する可能性は、「ブロッキング」の目的を児童への権利侵害に対する「緊急避難」とすることで、刑法第7章第35条の「正当行為」を適用し、警察庁はこれを「罰しえない」という考えを示した。
    憲法上の「通信の秘密」は、インターネットという新しいメディアと通信という言葉の響きから、サイト閲覧履歴の利用、遮断までにおよぶと考える人も多い。しかし、たとえ公権力が閲覧履歴を利用したとしても、憲法が保障する「通信の秘密」を侵害するかどうかはその適用範囲など議論がある。今後、ユーザーとIPSの間で訴訟が起きる可能性もあり、「通信の秘密」に関しては法律上の議論が巻き起こりそうである。
    (植木泰士氏著)
    ①について私からコメント
    財団法人(只の営利団体)日本ユニセフ協会大使のアグネス・チャンは09年6月26日の衆議院法務委員会で、「日本は児童ポルノのナンバーワンの加害国であり、タイやカンボジア、フィリピンなどでは日本人による被害児童が多く存在する」、「児童ポルノ禁止法が制定され、コンビニから児童ポルノが消えたが、サイバースペースでは児童ポルノが氾濫し、近年さらに悪化している」、「G8で単純所持が禁止されていないのは日本とロシアだけ、国連などの関係者から日本の法制度が遅れていると指摘される」は明らかな嘘
    産経新聞の「海外ではポルノ撮影を目的とした児童誘拐まで起きている。知らぬ間に画像が流れた子供たちの精神的被害も深刻だ」も真っ赤な嘘
    そもそも営利団体を出さないで欲しい。日本ユニセフなんて自分達の利益が優先でやっているだろ。
    産経新聞め、ポルノの意味が分かっていないな。あくまでもポルノは18歳以上だぞ。それに合意の上だ。ポルノ撮影で児童誘拐が起る訳がない。
    6月18日の毎日新聞ウェブ版によると、通信事業者らでつくる「安心ネットづくり促進協議会」の児童ポルノ対策作業部会は、「検閲的な機能のあるブロッキングには『官民一体』ということでも認められてはいけない」とし、完全なる公権力の排除が必要は正論だ。
    続いて②
    引用開始
    自民党の「単純所持」規制が持つ危険性
    「単純所持」規制で起こる全員容疑者現象
     児童ポルノ禁止法の自民党案では、児童ポルノの「単純所持」まで規制対象となっている。児童ポルノ禁止法改正反対派の急先鋒である社民党の保坂展人氏は、「表現の自由、内心の自由を封じていく『蟻の一穴』にならないかという危惧が率直に言ってある」と、単純所持禁止規定が招く、憲法に規定された権利の制限を懸念する。問題とされるのは、単純所持の規制範囲が、過去、合法とされたものまでに及ぶこと、また、個人所有の悪意のない家族写真などまで規制対象となりかねないことである。例えば、1991年に朝日出版社から発売された、当時17歳だった宮沢りえのヌード写真集『サンタフェ』も規制対象である。自民党の前衆議院議員、葉梨康弘は平成21年6月26日の衆議院法務委員会で「押し入れをあけて『サンタフェ』が出てきて、もし『サンタフェ』が児童ポルノに当たるんだということになれば、それは廃棄なりしていただければよろしいんじゃないかなというふうに思う」と過去合法とされた作品の規制について言及した。このような規制が行われると、保坂氏が指摘するように出版社などの表現団体にとって、憲法が保障する「表現の自由」の侵害に当たることは議論の余地がない。また、個人の場合でも、家族の温泉旅行写真などを、所持、または、ブログやホームページに掲載した場合、規制の対象となる。弁護士の一場順子氏は同法務委員会で、「違法か違法でないかはその文言から一義的にわかるような明確な定義でなければならないのは言うまでもないことだ。先ほども申したように、処罰範囲の拡大の危険性がある。この資料で答えているように、違法となる児童ポルノの定義は適切に行わなければならない」自民党案の規制対象の不明確さを指摘し、明確な定義の必要性を示した。
     自民党案が施行された場合、冤罪が発生する可能性についても保坂氏は指摘する。この冤罪は2種類あり、一つは、悪意のある者の行為によって生まれるものである。例えば、児童ポルノと判断される画像をメールに添付する、郵便で郵送する、などがあげられる。二つ目は、善意の者が、意図せず児童ポルノを所持してしまう場合だ。先ほどの、家族写真などがその一例だ。保坂氏は、自身のホームページで児童ポルノ規制の厳しいアメリカを例にあげ、冤罪の発生と、それによる個人への社会的ダメージを指摘している。
     「表現の自由」などの憲法に明記された権利の侵害、冤罪の発生、どちらにせよ自民党案の定義のあいまいさが原因であり、一場氏が指摘するように明確な定義づけが必要だ。しかし、児童ポルノに関してはどこまで正確に定義化しても、証拠不十分な児童ポルノに関しては見た目などで判断されるため、その規制自体が疑問視される。
    東京都の準児童ポルノ規制条例案
    被害児童が存在しない準児童ポルノにまで及ぶ規制 
     東京都議会は6月16日、いわゆる「準児童ポルノ」と呼ばれる18歳未満と判断される実在しないキャラクターを「非実在青少年」とし、「不健全図書」に指定する「東京都青少年健全育成条例案」を民主党、共産党など野党会派の反対多数で否決した。「不健全図書」に指定されると、18歳未満への販売が禁止され、一般図書と並べて販売することができなくなる。東京都は修正案を9月議会以降に再提出する方針だ。
    「ブロッキング」の場合とは異なり、被害児童が存在せず、権利の保護を必要としない架空のキャラクターを規制する目的を、東京都の石原慎太郎知事は同16日の本会議で、「子どもに対する強姦や近親相姦などを描いた悪質な漫画が、子どもでも手にとることのできる書棚に置かれている状況など、子どもを取り巻く危機的な状況を改善し、東京の子どもを守り、健全に育てるためには不可欠の取り組みである」とした。
    東京都の改定案に対し、民主党都議山下太郎氏は、同じく16日の本会議で、「知事が精読もせず、『非実在青少年』の言葉が知事自身も理解できないとした無責任で不備な条例案は撤回し、改めて責任の持てる案を求める」と意見。さらに、共産党都議の古館和憲氏は「自由であるべき創作、表現活動を萎縮させかねないという都民の懸念には根拠がある。『非実在青少年』を、みだりに性的対象として肯定的に描写という規制の基準は恣意的に運用されかねないものである」と反対理由を述べた。
    社団法人日本雑誌協会は6月20日、週刊現代に出した改定反対広告で「何をもって18歳未満とし、不健全と判断するのか」、「基準もあいまいで、これまで問題なしとされてきた作品までも『不健全図書』と指定されてしまう恐れがある」と危険性を指摘した。民主党が主張するあいまいさもこれと同じで、日本漫画家協会(やなせたかし会長)が同じく「本来一般書として販売されるべき作品にまで規制が及びかねない表記となっており、創作者の立場からは到底容認出来ない」と主張するように、拡大解釈され規制が広がる危険性がある。そうなった場合、共産党が懸念する「表現の自由」の侵害の可能性は否定できない。
    憲法学説の多数が主張する「LRAの法理」によれば、民主政治にとって重要な価値をもつ「表現の自由」をまもるため、これに対する規制立法の場合、その法律の規制目的が合理的である場合でも、その目的がより制限的ではない他の手段で達成不可能なときのみ、その法律は合憲となる。東京都の条例案も、この「LRAの法理」の視点から精査する必要があるだろう。今回の条例案はより制限的ではない民間の自主規制で、石原慎太郎知事が目的としたことを達成可能と思われるため、違憲になる可能性がある。
    日本漫画家協会など改定反対派が危惧する拡大解釈が行われると、「表現の自由」の下で育まれた漫画やアニメーションといった文化が、一瞬にして瓦解する可能性がある。弁護士の山口貴士は『非実在青少年〈規制反対〉読本』で「今回の条例は明らかに従来の不健全(有害)図書制度の範疇を逸脱している」、「強制力のない規制とは言え、表現者、出版社、書店等は委縮せざるを得ない」と都による恣意的な運用と表現活動の委縮を懸念する。被害児童が存在せず、自主規制で達成できる目的を、わざわざ条例案で規制しようとする東京都の真の目的は何か。東京都の条例案に続き、大阪でも規制しようとする動きがある。全国に波及することは必至だ。
    憲法はいかなるときも不可侵である
    あいまいな判断基準は行き過ぎた規制を生む

     単純所持規制、架空のキャラクター規制など、すべての児童ポルノ規制が共通した危険性を持つ。何をもって児童ポルノとするかという確立されないあいまいな基準に判断を委ねなければいけないため、個人の感情に著しく判断が左右されるのだ。もっともわかりやすい例は、児童の年齢判断だ。「単純所持規制」、サイトの「ブロッキング」、「非実在青少年」、全てにおいて、明確に年齢を定義できない。それがゆえ、行き過ぎた規制が生じ、「表現の自由」の侵害、「検閲」的作用、善意の個人への制裁が発生する。「表現の自由」の民主制にとっての価値をまもるために、萎縮効果をうむ漠然とした規制はそれだけで違憲とすべきだとする「明確性の原則」にも配慮する必要があるのではないだろうか。
     また、「LRAの法理」で指摘したように、これら表現規制は、もっと緩い規制によってその目的を達成できる。被害児童の救済であれば、個人を直接支援するなど、他の有効的な方法があるはずだ。漫画やアニメの規制は、自主規制という形で達成されることであり、公権力介入の必要性は皆無だ。
    最後に・・・

     国民感情は規制に傾いているようだが、我々が生活していく社会において、憲法はもっとも公権力に対し有効な制限規範である。そのため、感情論から発生する憲法の解釈はすべきではない。児童を救うのは国家ではなく、個人であると認識し、憲法を侵害する規制を容認するのではなく、自発的努力を行うべきだ。
    (植木泰士氏著)
    全体的なコメント
    児童ポルノ禁止法について
    ①単純所持禁止は認めない。
    ②定義を明確にし、年齢判断を的確にやれ。
    ③創作物は児童ポルノと関係が無いとしろ。
    ④ブロッキングは検閲に当たる。
    ⑤憲法を順守する法律を作れ。
    ⑥被害児童の補償と冤罪被害者の補償を適切に行え。
    取り敢えず、今は震災対応を優先し、自公案は廃案にして下さい。
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