
※画像出典:朝日新聞デジタル
自民党の大阪・関西万博推進本部に出席した一部の議員は人手不足による万博パビリオンの建設の遅れに関して「超法規的措置」を提案、建設労働者を「時間外労働の上限規制の対象外」にすることを求めました。テーマに掲げた「いのち輝く未来社会のデザイン」と逆行する発言に批判殺到しています。
■万博「超法規的措置」発言は自民・足立氏「間に合わせる例示」
https://www.asahi.com/articles/ASRBD66M9RBDUTFK00J.html
朝日新聞デジタル 白見はる菜 2023年10月12日 19時25分
自民党の会合で、大阪・関西万博のパビリオン建設を時間外労働の上限規制の対象外とする「超法規的な取り扱い」を求める意見が出たことについて、同党の足立敏之参院議員が12日、自身の発言だと認めた。朝日新聞の取材に「工事が間に合うかどうか微妙な状況にあり、なんとか間に合わせるための一つの例として『超法規的』な措置も必要だと思った」と述べた。
■万博工事「超法規的措置を」自民会合で発言、残業規制の除外求める
https://www.asahi.com/articles/ASRBB744HRBBUTFK026.html
朝日新聞デジタル 川辺真改 2023年10月10日 22時18分
自民党の大阪・関西万博推進本部(本部長・二階俊博元幹事長)が10日、党本部で開かれ、万博パビリオンの建設を時間外労働の上限規制の対象外とするよう求める意見が自民議員から上がった。同様の要望は、主催する日本国際博覧会協会(万博協会)も政府に求め、建設業界などから批判を浴びた経緯がある。
発言者は自民党参議院議員・足立敏之氏!
2023年10月10日(火)。自民党本部で非公開で開かれた大阪・関西万博推進本部(本部長・二階俊博元幹事長)で、出席議員の一部は万博パビリオンの建設を巡って建設労働者を「時間外労働(残業)の上限規制の対象外」にするように求めました。
大阪・関西万博推進本部では「パビリオン建設の遅れ」を取り上げました。自民党参議院議員の足立敏之氏は「人繰りが非常に厳しくなる」「超法規的な取り扱いが出来ないのか」「工期を短縮できる可能性もある」「災害だと思えばいい」と意見を述べたそうです。
2023年10月12日(木)。足立敏之氏は「工事が間に合うかどうか微妙な状況でなんとか間に合わせるための一つの例として『超法規的』な措置も必要だと思った」と述べて自身の発言だったことを認めています。
大阪・関西万博推進本部事務局長の松川るい氏は会合後に記者団に対して「非常事態であるから時間外労働の時間規制についても必要であればとっぱらうということも考えるべきだという意見は多かった」と説明しました。
岸田政権は超法規的措置を否定?
松野博一官房長官は「時間外労働の上限規制について(政府として)検討を行っているものではない」と現時点では否定的な考えを示しました。
また、自見英子万博相はマスコミの取材に対して「『いのち輝く未来社会のデザイン』という万博のテーマを考えても相いれない」と否定的な考えを示しました。一方で「工事しながらの開幕や開幕そのものを延期するという考えは持っていない」と強調しています。
Twitterの反応!
「超法規的な取り扱いが出来ないのか。工期が短縮できる可能性もある」「災害だと思えばいい」ーー自民党の大阪万博推進本部で。
— 山添 拓 (@pioneertaku84) October 10, 2023
建設業に過労死が多いのは、長時間労働を強いる発注のあり方にも一因がある。ようやく導入される労働時間規制を、政治が軽んじるなど許されない。https://t.co/Ql5u9syCf8
違法な労働を強いなければ完成しない事業ってことだよね。これでは東京五輪のように過労死を起こしてしまう。何が「いのち輝く」なのか。今からでも万博は中止すべき。
— たつみコータロー元参議院議員 (@kotarotatsumi) October 11, 2023
万博工事「超法規的措置を」 自民会合で発言、残業規制の除外求める:朝日新聞デジタル https://t.co/V40NfQ0IGN #自民
途方もない税金の無駄遣いや工事の遅れは人災であって災害ではない。労使協定を結べば25年3月末までは従前の残業時間を維持できるので25年5月に万博を開催するなら工事はそれよりかなり前に終わるはずで関係ない。万博にかこつけて命を守る規制をぶっ壊そうとしているだけ。https://t.co/Pkzzku53H7
— 渡辺輝人 🇺🇦連帯 (@nabeteru1Q78) October 10, 2023
自民党の大阪万博推進本部(本部長・二階俊博元幹事長)が自民党本部で開かれ、万博建設が遅れていることについて「災害だと思えばいい」
— 町山智浩 (@TomoMachi) October 10, 2023
建設が遅れてるのは参加してくれる国が無いから。災害じゃないよ。https://t.co/mswGpJTEtT #自民
【日本アネクドート~災害篇~】
— 立川雲水 (@tatekawaunsui) October 10, 2023
「万博開催の為には超法規的措置をもって突貫工事をしなきゃならない!災害だと解釈すればいいんだ!」
「そうだ!確かに災害だ!"維新が天下を取った"ってのは古今未曾有の大災害に違いない!」 https://t.co/A5EDDpmLNL
管理人後記!
万博を主催する「日本国際博覧会協会(万博協会)」は今年7月に政府に対して内々に同様の要望をして建設業界などに批判を浴びました。
いわゆる「2024年問題」や資材高騰・人手不足の影響で参加しているゼネコン関係者の間では「やりたくない」といった声まで上っています。
時間外・休日労働の上限規制を含めた詳細に関して弁護士ドットコムの記事「万博工事の遅れ『超法規的に短縮を』発言はあり得ない 専門家が酷評『過労ニッポンを繰り返すのか』」は必読です。
これは明らかな違法・脱法行為です。岸田政権は現時点でこの「超法的措置」を否定しているものの依然としてこのような提案は度々あって懸念を示す声は多いです。
大阪・関西万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」で「持続可能な開発目標(SDGs)達成への貢献」を掲げています。自分達で掲げたテーマに逆行しなければできないのであれば素直に中止にするべきです。
想定以上に費用は膨らんでいて東京五輪・パラリンピックのような様相を呈してきました。尚、大阪・関西万博の警備費用は「200億円」で全面的に国で負担します。





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